コラム記事01

人と自然をつなぐ“森と川”の関係とは?

森が川を育て川が森を潤す その密接なつながり

日本の豊かな自然環境は、森と川が相互に作用することで形づくられています。山間部に降った雨や雪解け水は、森の土壌に浸透しながら地下水となり、ゆっくりと川へと流れ込みます。この“緑のダム”とも言われる森林の機能により、大雨による土砂災害や洪水を防ぐことができるのです。

一方、川は森の生態系を支える役割も果たしています。川が運ぶ栄養塩類は植物の成長を促し、魚類や水生昆虫が生息することで動植物の多様性も保たれます。つまり、森と川は「水」と「命」を通じて深く結びついており、そのバランスが崩れると、自然環境だけでなく私たちの暮らしにも大きな影響を及ぼします。

異変の兆候 森や川の“健康状態”を見るポイント

環境調査において、森や川の健全性を把握することは重要な任務です。たとえば、森では樹木の種類や年齢構成、下草の生育状況、外来種の侵入などが調査の対象となります。川では、水質や流量の変化、生物多様性、河床の浸食などを通じて、自然環境の変化や人為的な影響を読み取ります。

近年では、気候変動や開発によって森林の乾燥化や河川の流量減少が各地で報告されています。こうした変化は生態系にとってストレスとなり、動植物の生息環境を悪化させるだけでなく、やがて人間の生活にも影響を及ぼす可能性があります。環境の“異変の兆候”を早期に見つけ、対応策を講じることが私たち調査会社の使命です。

私たちの暮らしと 未来のためにできること

森と川を守ることは、私たち自身の生活環境を守ることにもつながります。たとえば、日常の中でできることとしては、ゴミのポイ捨てを避ける、洗剤や農薬の使用を見直す、自然に親しむイベントに参加するなどがあります。また、企業や自治体が主導する植樹活動や河川清掃などに参加することで、地域全体の自然環境を守る動きにもつながります。

環境保全は専門家だけのものではありません。ひとりひとりの行動が、未来の森と川を育てていく力になります。私たち環境調査会社では、調査・分析・報告だけでなく、地域との連携や環境教育にも力を入れ、持続可能な社会の実現を目指しています。